IPOベンチャー今昔物語 -3ページ目

「コモンウェルス・エンターテインメント 前編 」


この会社は上場後、オーナーが変わって事業も大きく変わってしまった会社
です。

上場当時はトップボーイという名前のゲームソフト販売の店舗をFC展開する
会社でした。

私がこのトップボーイと出会ったのは、阪神大震災のあった年でした。

社名も三高産業という社名で本社も神奈川の戸塚にありました。
社長の松藤社長は九州出身で、いかにも、「商人」というタイプの方でした。

会社規模も売上が17億円位、経常利益が45百万円くらいだったと記憶していま
す。

もともとは中古ファミコンショップ「トップボーイ」を直営とFCで展開して
いましたが、ソニーがゲーム業界に参入したときに松藤社長は、一つの選択
しなければいけなくなりました。
ソニーはゲームの中古流通を認めない、中古流通を行う会社にはゲームをおろ
さないと言い出したのです。

同業他社は新作販売よりも利益率の高い中古ビジネスに執着しましたが、松藤
社長は一気に中古の販売から新作の販売へスイッチしました。

実はこれが、大正解でした。

ソニーがゲーム業界に参入する前はゲームはROMカセットで高価でした。
それがCD-ROMになり、値段が安くなりました。これは何を意味するかという
と、中古市場で一つのソフトが回転売買される回数が減るということなので
す。
そこまで見越して、事業変換をした結果、同業では、最も後発であったにも
かかわらず、一番に株式公開を果たしました。(続く・・・)


株道

「三井住友フィナンシャルグループ」

三井住友フィナンシャルグループと大和証券グループ本社が、持ち株会社同士
を合併し経営統合を含む関係強化すると、発表になっていました。

いよいよ銀行、証券の垣根を越えて大型合併ですか。

今回の中心人物でもある三井住友フィナンシャルグループ西川善文社長。
実は一度だけお目にかかったことがあります。

4年ほど前パーティーの席で20~30分間くらいお話をさせて頂きました。
まぁ、色々不良債権問題のA級戦犯とか、最近では呆けてこられたとか、色んな
こと言う方もいらっしゃいますが、私はとても聡明でエネルギッシュな方とい
う印象を持ちました。

事実、私のような若造とも色々お話をして頂けましたし、「自分のような対場
だからこそ、自分から進んで若い人と接点を持つべきなのだ」

語られていらっしゃいました。

頂いたお名刺は私の宝物となっています。
意外とミーハーです。(笑)


株道

「デジタルアドベンチャー」


私の出会ってきたベンチャー企業の中で、何故上場できたのだろうかと思う
企業が何社かあります。

この会社もその一つです。

グラビアアイドルやレースクィーンなどのコンテンツの二次利用権を色々な形
で販売する会社です。未公開時は儲かっていましたが、扱っているコンテンツは
アダルトコンテンツに近いものでした。

そこに登場したのが、上場時に社長をつとめられていた高橋次男社長です。
麻布高校、東大、商社で海外勤務という、超エリート路線を歩まれた方なのですが、
お会いした印象はかなり変わった方でした。

高橋氏が行ったのは、、株式公開に耐えうる程度に会社の見栄えを良くすること。
人脈を活かしての大手IT企業との業務アライアンスなどを行い、見事株式公開に
こぎつけました。
特にデスクトップカレンダーという商品を前面に押し出していました。
そして、上場後初の株主総会で、辞任

色々怪しい筋の資金が上場前から入っているという噂も何かもありました。
公開後の業績の推移などはぜひ四季報等でご確認ください。

新興市場は新しいパワーを持った会社を生み出しましたが、同時に、闇の部分も生み
出しました。
IPO企業には怪しい会社も中にはありますので、お気をつけください。


株道

「企業を見るポイントNo.2~売掛金~ 後編」


例えば、売上も利益急拡大している会社があったとしましょう。
私たちは先ず、売掛金を見ます。

単純にその金額を見るのではなく今期、前期、前々期と並べて、変化率を見るので
す。

売上の伸び以上に売掛金が増えていた場合、要注意です。
こういう場合は以下のような事例が考えられます。

1.大手との取引が急激に増え、売掛債権の回収期間が延びている。
資金繰りの悪化(黒字倒産も)

2.営業のモラルが下がり、与信管理能力が下がり、売掛債権の回収状況が
悪くなっている。
不良債権の発生

3.売上を水増す為に、取引先に在庫を押し付け、売上として計上している。
粉飾決算へ繋がる

4.グループ会社間等で架空売上の計上をしている。
粉飾決算

1番も注意が必要ですが、2、3、4番はかなりやばい状況です。

皆さん、売上と利益が伸びているからいい会社だという訳ではないのです。

売上、利益の動きと合わせて売掛金の推移を見ると会社の内部の変化が見えて
きます。


株道

「企業を見るポイントNo.2~売掛金~ 前編」

さて、企業を見るポイントの第2回ですが、前回は
決算書を見るときの注意点でした。

さて、皆さん、会社の良し悪しを判断するとき、
売上と利益の伸びだけで見ていませんか?

今回は実際の決算書にある項目で注意する
ポイントを少しずつ書いて行きたいと思います。

今回見ていくのは「売掛金」です。決算書の貸借対照表(B/S)の借方の流動資
産の中にある項目です。(図を参照)

噛み砕いて言うと「商品(サービス)を販売したけれど、まだ支払がなされて
いない
分」。
これからお金が入ってくるであろう分です。

商売は当然商品とお金が同時決済ではありません。
今月売った商品の代金が入ってくるタイミングは後になるのが通常です。

これの反対に位置するのが「買掛金」で「商品(サービス)を購入したけど
まだ支払をしていない分」。
要は今後お金の支払が必要になるもの。

さて、先ずこの売掛金を良く見てみると企業の隠れたポイントが見えてきま
す。(…続く)


株道

「エキサイト」


昨年上場を果たしたヤフーに次ぐ第2位のポータルサイト「エキサイト」。

元々はアメリカのエキサイト・アット・ホーム社の子会社でしたが、同社の
チャプターイレブンで伊藤忠が資本を注入し、伊藤忠の子会社となりました。

社長は元トランスコスモスの山村社長。
私がお会いしたときには大赤字で、やっと広告宣伝費を除けば収支トントン
まで来ましたとおっしゃられていました。
それを聞いて、公開はまだ遠いなと思ったのを覚えています。

当時のエキサイトの収益源はバナー広告とボーダフォン(当時ジェイフォン)で提供
していたエキサイトフレンズという出会い系サイトでの課金でした。
実は出会い系での収益が比重が大きかったです。(笑)

優秀な役員が周りを固めていましたが、特に優秀な女性役員がアマゾンに転職し
たときはさすがにどうなるかと思いましたが、見事公開

エキサイト・アット・ホーム社のチャプターイレブンがあってこその株式公開
かも・・・。


株道

「メッツ 後編」


さて、既存のビジネスを捨て、ダイレクト販売に出たメッツ永田社長。
しかし今までのビジネスは全て捨てての展開はリスクが高すぎたようでした。
業績は急落
それまでの既存流通をまったく切り捨てたのは、さすがに乱暴だった様です。

その後、不動産業者と組んだ監視カメラのビジネスで業績は復活、永田社長は
会長職に。

さて、ここからがポイントなのですが、元々業務提携先であった不動産会社
(売り上げ2億円程度の会社)に何と10億円の長期貸付をしたかと思うと、
いきなり100%子会社化。
その貸付額も30億近くに増え、それらは不動産投資へと形を変えています。

それまで会社に潤沢にあった資金はすべてこちらに流れ、本体にはほとんど残っていません。

今はこの会社は何をやっている会社なんでしょうか?

これも永田会長の戦略なのでしょうか?
今後が注目されます。


株道

「メッツ 前編」

マザーズに上場しているメッツ。
元々は「筆自慢」や「G.CREW」「PaintShop」といったパッケージソフトの開発
販売会社でした。
これらのソフトは安価で高機能が売りで、業績も順調に伸ばしていました。

社長の永田社長は見た目はロックミュージシャンのようなロングヘアーで、
ハーレー
に跨って出社という方でした。
しかし、ビジネスで出来た借金を、仕事が終わった後、バーテンをして稼いだ
りその風貌とは違って非常に苦労人。

そのかいあって、マザーズに上場を果たしました。

ここで、永田社長はビジネスモデルを方向転換し、パッケージソフトの販売を
全てインターネット上からのダウンロード販売に切替ました。

時代を先取りしたのと、自社開発のソフトウェアの付加価値が下がることを見
越して、コストカットをする戦略にでたのです。(・・・続く)


株道

「企業を見るポイントNo.1~決算書~」

ベンチャービジネスに投資を行う際に、最低3期分の決算書を入手して財務分析
を行います。
これを行うことにより、会社の状況がよりきっちりと把握できます。
決算書に載っている数字というのは正直で、隠れた会社の問題点が見えてきま
す。
もちろん、決算書を粉飾していても、経験を積んでいくとある程度見破れるよ
うになります。

さて、決算書には損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)があります。簡単に
言うとP/Lは一年間の会社の活動した結果、成績を表しています。
また、B/Sは会社の中身、すなわち財務状況を表しています。陸上選手で言い換
えると、P/Lは1年間で出してきた結果をまとめたもの。
B/Sは選手の体の中身、筋肉がどれくらいあるか、スタミナがどれくらいある
か、病気になってはいないかを見ることが出来ます。

この二つの財務諸表を分析するのですが、大切なことは資料絶対に単年で見な
こと。
絶対に複数年分を並べて見ないと、見間違えます。
会社がどう成長しているか、良くなっているのか、悪くなっているのかは連続
した期間を見ないとわかりません。
また、決算書に付属する勘定科目明細書も絶対に必要です。
これは科目の内訳が記されているので、これも絶対に必要なのです。

あと、お金の実際の動きを見るキャッシュフロー計算書もあればいうことなし
ですが、ベンチャー企業はほとんど作っていません。
しかし、これはP/LとB/Sと勘定科目明細書から算定できるので、私は自分で作
っていました。

さて、これらの資料をどう活用するかは、また後日ご紹介いたします。

今後も、タイミングを見て企業を見るテクニックを少しずつお話できればと思っております。

株道

「インフルエンザ」

少し、更新に間があいてしましてすいません。
インフルエンザにやられてダウンしてしまいました。
先週から発熱が始まり、騙し騙しやってきたんですが、完全にダウンしました。
今年のは特にきついです。皆様をお体にはお気をつけ下さいませ。