「コモンウェルス・エンターテインメント 前編 」 | IPOベンチャー今昔物語

「コモンウェルス・エンターテインメント 前編 」


この会社は上場後、オーナーが変わって事業も大きく変わってしまった会社
です。

上場当時はトップボーイという名前のゲームソフト販売の店舗をFC展開する
会社でした。

私がこのトップボーイと出会ったのは、阪神大震災のあった年でした。

社名も三高産業という社名で本社も神奈川の戸塚にありました。
社長の松藤社長は九州出身で、いかにも、「商人」というタイプの方でした。

会社規模も売上が17億円位、経常利益が45百万円くらいだったと記憶していま
す。

もともとは中古ファミコンショップ「トップボーイ」を直営とFCで展開して
いましたが、ソニーがゲーム業界に参入したときに松藤社長は、一つの選択
しなければいけなくなりました。
ソニーはゲームの中古流通を認めない、中古流通を行う会社にはゲームをおろ
さないと言い出したのです。

同業他社は新作販売よりも利益率の高い中古ビジネスに執着しましたが、松藤
社長は一気に中古の販売から新作の販売へスイッチしました。

実はこれが、大正解でした。

ソニーがゲーム業界に参入する前はゲームはROMカセットで高価でした。
それがCD-ROMになり、値段が安くなりました。これは何を意味するかという
と、中古市場で一つのソフトが回転売買される回数が減るということなので
す。
そこまで見越して、事業変換をした結果、同業では、最も後発であったにも
かかわらず、一番に株式公開を果たしました。(続く・・・)


株道