IPOマーケットを取り巻く反社会勢力の罠 10 | IPOベンチャー今昔物語

IPOマーケットを取り巻く反社会勢力の罠 10

メディカルイクィップメント社は順調に成長し、私も安心しながらも第2回の本格的な資金調達のファイナンス時期を迎えようとしていました。


ある日、島村社長とのミーティングの際にどうもいつもと雰囲気が違うのです。
問いただすと、第2回のファイナンスは銀行だけに割り当て行うと、柏原取締役が言って梃子でも動かないと言うのです。
私も、そんな酷い話はないと、あれだけ協力してやっていこうと話をしたのに、今回は割り当てなしは無いと不満をぶつけました。

しかし、商社はどうしても銀行借り入れが多く、基本的には銀行との縁を大切にします。
申し訳ないと島村社長に頭を下げられ渋々諦めました。
第2回の第三者割り当の割当先は銀行だけなので社内でも仕方ないという形になりました。

しかし、このときから少しずつメディカルイクィップメント社の歯車はずれ始めていたのでした。



月に一度、メディカルイクィップメントに社月次試算表をチェックに行っていた時のことでした。
月次試算表というのは、一月単位で決算を締め、月単位で会社の状況チェックする為作る損益計算書と貸借対照表のことです。

その月次試算表で前月から気になっていた未収金の40百万円がそのまま残っていることに気付きました。
それについて、島村社長に尋ねると回収が遅れているが問題はないとのこと、その時はその言葉を信じました。