「MSCBって何?~第3回~」 | IPOベンチャー今昔物語

「MSCBって何?~第3回~」


さて今回はその転換社債型新株予約権付社債の発行条件のポイントを見てみま
す。

では、そのポイントを挙げてみましょう。

1.転換価額の修正頻度
2.転換価額修正の際の修正日終値からのダウン率
3.オーナーの持ち株を貸し株要求があるか。

1番については、極端な話、毎日でも修正をかける事が出来ます。実例として
はサンライズテクノロジー(旧プライムシステム)がそうです。
MSCB乱発し、株価が1円になったことで有名です。

2番、修正日終値からのダウン率は最近の銘柄では90%近くにまでなっていま
す。
これだけでも引受手は有利ですよね。この比率が低ければ低いだけ、引受手に
メリットがあり、既存株主にとっては「ふざけるな」という話になるわけで
す。

3番は開示されることはないので、当事者しか分かりませんが、引受手が、発
行会社のオーナーの持ち株を事前に借りる契約を同時に結ぶのです。
これが曲者で、引受手は転換社債型新株予約権付社債の転換の前にこの借りた
株を売る
ことが出来るわけです。

これを使えば、引受手のリスクはかなりヘッジされます。
そして、当然そのしわ寄せは既存株主に向かうわけです。

それこそ、株をどんどん売って、株価を下げることで転換価額の修正額を引き
下げて、下がったところで一気に転換すれば…。
ということが出来るわけです。

株道