「MSCBって何?~第2回~」 | IPOベンチャー今昔物語

「MSCBって何?~第2回~」


さて、「MSCB」に話を戻しましょう。「MSCB」の特徴は前段の転換価額修正
条項
が付いていることです。
ある一定の期間でこの転換価額が修正されるのですが、そのルールが問題なの
です。

良くあるのが修正の期日の終値に一定の比率をかけるというものです。
その比率が95%であると、市場価格より5%安く株に転換できるということで
す。
元々引受手に有利なのに更に有利になります。
また、転換価額の修正の周期が短ければ短いほど、引受手は有利です。

この転換社債型新株予約権付社債の発行は通常、海外発行で私募で行われるこ
とが多く、最近の傾向では引受先は機関投資家単独、若しくは数社になりま
す。
リーマンブラザーズ証券はこれを単独買い入れ転換社債と呼んでいるようで
す。


このタイプの転換社債は昨年年間3,600億円発行されています。

私はこのタイプの転換社債型新株予約権付社債を全て否定はしません。
上手く使えば有効な資金調達手段です。
ただ、中にはとんでもない条件のものあります。

条件の悪い社債を出しているということは、それだけ経営状態が悪いというこ
とだと思われます。

では次回はその転換社債型新株予約権付社債の発行条件のポイントを見てみま
す。(続く・・・)



株道