「企業を見るポイント No.3 ~受取手形~後編」 | IPOベンチャー今昔物語

「企業を見るポイント No.3 ~受取手形~後編」

当然、手形の割引には手数料がかかります。
ですので、手形の割引は、会計上、金利を払ってお金を借りたのと同じという見方を
します。

また、手形の裏書といって、現金の換わりに受け取った手形で支払いをするこ
ともあります。

ですので、B/S上で借入金が無くても、手形の割引や裏書をしていれば実質的に
は借り入れをしているのと同じとみなします。

また、会社としては手形の決済日を待たずに割り引く、若しくは裏書をしてい
るということは、資金繰りの面で変化があると考えるべきでしょう。
ただ、銀行との取引の付き合いで、どうしても割引させてくれということがあ
りますので、健全な会社でも多少の割引があることがあります。

昔から手形は、その性質上良くない使われ方もします。

その代表格が「融通手形」です。
資金繰りに行き詰った会社が、手形を切ってそれを買い取って貰うという手法
です。

手形は正式には「約束手形」といって商取引があったときの支払いの際に、代
金をいつ払うかを約束した書面なのです。

融通手形は商取引が無い状態で手形だけ発行し、その手形を額面金額よりも
い価格
で買い取ってもらうのです。

これを行った会社は、相当に資金繰りが行き詰まっている会社です。
上場会社でもこれに手を染めている会社があります。

また、反社会的勢力がこれを使って企業を罠にはめるのを見たこともありま
す。
これに関しては、別の機会でお話したいと思います。


株道